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「フィールド 響き合う生命・意識・宇宙」リン マクタガート, Lynne McTaggart

  〓 あなたは幽霊を信じますか? 〓

リンク: Amazon.co.jp: フィールド 響き合う生命・意識・宇宙: リン マクタガート, Lynne McTaggart, 野中 浩一: 本.

 もちろん私は幽霊を信じます、と言いたい。それも50%だけ。
 中学生のときに一度だけ霊的体験をして、それ以来やはり幽霊とか霊魂とか、よく言えば死者の残存する意識とかは存在すると信じてきた。しかし、この本は、「そんなのトーゼンです!」といわんばかりに、科学では説明しきれない事実を次々と持ち出してくる。本の前半で出てくる、量子とか光子が云々かんぬんまでは良いが、中盤第1部4章の癌とかホメオパシーとかが出るくだりからはチンプンカンプンである。途中で、怪しい科学を集めただけの本と気づいた頃こら、殆どホメオパシー的な読み方になった。つまり、10倍~100倍に薄めて読む。この本によると、ゼロ・ポイント・フィールド(ZPF)に意識が野宿るため、それでも効果はあるわけだ。

 この手のニューサイエンスモノは、昔から好きでいろいろ読んだが、以下の3つは個人的に古典的名作だと思っている。
1.エントロピーの法則
2.タオ自然学
3.生命潮流

 最近は脳科学や情報工学を中心としたニューサイエンスモノが多い。たとえば
1.ポストヒューマン誕生
2.宇宙をプログラムする宇宙
3.脳の中の幽霊
4.神々の沈黙

 この4つの本のどれもが(話の中心ではないが)意識というものを扱っている。「宇宙をプログラムする宇宙」では、今回読んだ「フィールド」と同じように、宇宙そのものが意識を持っているとしているが、それは最近の情報工学的立場から世の中の側面を見るとそのように見えなくも無いという、作者の考え方を語っている。ほかの本も、他の文献を引いてはいるがやはり自分の言葉で語っているのだ。しかし、「フィールド」では他の科学者の怪しい実験結果を転記しているに過ぎない。

 確かに、科学的に証明できないものを、科学の現場から取り去るわけにはいかないし、証明困難な真理を追究するのが科学のあり方だと思う。しかし、「画期的」だったり、「仰天」するような事実だったりするような、大衆科学的ワイドショー的な編纂のニューサイエンス本はちょっと行き過ぎだと思う。

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