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「バスティーユの陥落 (小説フランス革命 2)」 佐藤 賢一: 本

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 小説フランス革命の2巻目を読んだ。歴史小説でありしかも舞台は1789年のヨーロッパ、フランス。中国の歴史小説を読むことが多い私にとっては未体験ゾーンだった。が、やはり面白い。この著者の文章は、何しろ人物描写が鮮明だ。しかも活写もリアルである。
 第1巻でも登場したカミーユ・デムーランが、第2巻では主人公になる。彼は、パレロワイヤルで「武器を持て!」と民衆に向かって声を上げる。そこに至る描写は、第1巻で主人公であったミラボーとの駆け引きで始まる。ミラボーがデムーランにそう言わせたのだ。設定としてはちょっと無理があるような気がする。しかし、本当にそんなやり取りがあったのかもしれない。そう思わせる巧みな心理描写が、多分読者を舞台に引き込むのだろう。民衆の蜂起によるバスティーユ陥落では、市民が要塞バスティーユ城に乗り込む時の戸惑いや、デムーランの決心が文字の隙間からまるで浮き出てくるようだった。

 それにしても、最近、時代小説を面白くしてくれるのは、作品のせいだけは無いと思う。この本を読むとき、私は、iPhoneを手に取りWikipanionで人物の情報を調べる。さらに、Googlemapでパリを覗き見る。私の乏しい想像力を強化してくれるこれらのツールが、さらに小説をリアルにしてくれるのだ。

 しかし、現在私自身は簿記2級を受験しようとする身であり、本来は小説を読んでいる場合ではないのだが・・・。

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