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「ひと月9000円の快適食生活」のススメ(書評じゃなくて)

 親元から離れて新しい生活を始めた皆さん、自炊してますか?。私の時代には共同流しで、料理なんてする機会も無かったなぁ、と記憶してます(つまり遠い昔の話)。でも今では結構料理するようになりました。しかも、毎度けっこうおいしいじゃん!と家族にも好評。それもこれも、この本のおかげです。どういう本かというとこんな本。

著者である、魚柄仁之助先生によると、この本のコンセプトは

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食生活に関する自分の考えを分析してみると、以下のおきてが浮かび上がってきました。●手抜きは正しい ●旨い料理しか認めない ●健康維持の栄養バランスをくずさない ●正しい料理法など存在しない ●手間いらずの料理しかしない ●食費はひと月4桁以内しか認めない ●素材は入手しやすいものに限る

 どうです、結構いい考えだと思いませんか。他の料理研究家が聞いたらちょっと眉間に皺ができそうですが、実践してみるとこの考え方が料理を楽しくおいしくする基本だと分かります。

 え、そんなのWebで調べりゃサクッと分かるって?確かに。例えばイカの塩辛が造りたければ、検索一発でばっと出てくるでしょうが、でも大方は単なるイカの塩辛の作り方でしかないんです。これが魚柄先生の本によると、イカの塩辛は味噌でつけたほうがすぐに食べれて味もいいらしい。つまり塩以外に味噌を多めに加える、イカの味噌辛をおすすめになられる。まあそうなのかなぁと思って造ってみると実際旨い。ちなみに私の場合、最近は塩をまったく入れずに味噌だけで造ってます。

 あるいはミネストローネをWebでググッてつくると、トマトの缶詰を買うか、トマトを湯煎して(ry、なんて事をやりそう。なんだか名前が高級感たっぷりなだけに、造り方も手間をかけなきゃあかん感じなのですが、これも魚柄先生の手にかかれば一刀両断。トマトはおろし金でがしがし擦りなさいときた。実際やってみてびっくり。ナーンだ、ミネストローネも野菜スープにトマトをがしがし擦りおろせばできるんだ。てな感じになります。
 こういった実用料理Tipsが229も載っていて、378ページで1,500円。本自体も安いのがありがたいです。料理の細かい造り方は載っていませんが、まあそういったことこそWebで検索してください。

 もちろん巻末には材料ごとの索引も付いています。でも、この本、常識を疑え、てな感じの本だから、常識的なことは殆ど載っていない。なので、次に紹介する本が必要になりました。

〓 この本がでるまで、私は料理の常識を知るすべが無かった

 料理をすると10回に1回は開くことになる私的定番本『調理以前の 料理の常識』。こちらの本はかなり売れたようなので知っている方も多いでしょう。だからあまり解説しませんが、「ひと月~」と同様にWebでは探しにくい情報満載なので、これから料理を始める方には超お奨めです。ただ「ひと月~」と違うのは、こちらは逆にあまりにも常識過ぎてWebには載らない情報が載っていること。
 例えば、ごぼうの皮をむくのか?、とか、きのこは水で洗うのか?、とか。料理してみてはじめて「あれ、どうだっけ?」てことがいっぱい書いてあります。極めつけは、Webでレシピを検索して料理を作ろうと思ったら、「ダシ汁1カップ」てな材料が。まあ常識的に考えれば、ほんだしでつくればいいんでしょうが、非常識な私にはこれがどういう代物かさっぱり分からないという有様だったわけです。ホントお恥ずかしい。いや、この本に出会わなかったら、私の料理人生はなかったなあと思います。

〓 まず料理の常識を知れ、そして常識を疑え

 この2種類の本の使い方ですが、まず、「料理の常識」で常識を知ることが先決です。でも、常識だけではおいしい料理は簡単にできない。そこで「ひと月~」を取り出して、調べるのです。

 それでも、本当のことは実際に作ってみなけりゃわかりませんです。例えば、旬の筍を料理したいとき

1.「料理の常識」では

28ページ
皮付きの生竹の子はかたくてあくもつよいので、米ぬかと赤唐辛子を加えた水からゆでる。

2.「ひと月~」では

325ページ
なんでぬかや米のとぎ汁でアクが抜けるのか、いままでそれを証明するような文献にはお目にかかったことがありません。
根拠が分からん場合、まず疑ってかかるという探偵のような性格の私です。やってみました。普通の水に筍をいれて火にかけます。沸とうしたら、弱火でコトコトコットンゆでつづけます。…(省略)…これを取り出して切ってみましたが、アクはすっかり抜けております。全然エグイことありまっせん。

 そこで私も魚柄先生の指示に従ってやってみました。朝取れたばかりの筍を、まず皮をむいてから、水でゆでる。しばらく冷ましてから、切って食べてみたのですが、あにはからんや、結構エグイ。まあこれだけいっぱい裏ワザが書いてあれば、中にはうまくいかないこともあるでしょう。
 料理の本当の基本は、まず料理してみることと心得ました。

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コメント

筍のアクについての謎が解けました。
1.朝取れたばかりの筍をそのままゆでる場合は、あく抜きの必要なし!
2.前日以前に取れた筍は、米ぬかなどでアク抜きが必要!
直売野菜スタンドのおばちゃんに聞いた話なので、確かだと思います。
だから、大概の筍はアク抜きせんとイカンということでしょう。やはり、朝取れ野菜が一番です!

投稿: パピガニ(本人) | 2010年8月 1日 (日) 18時39分

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