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2010年読んだ本ピックアップ

 2010年に私が読んだ98冊の本の中から特に面白かったものを、独自の視点によりピックアップします。新しさとか流行り廃りとはまったく関係ありません。
 2004年4月から分類して読書記録をつけていて、過去全体では結構バランスよく読んでいるつもりです。「読書=脳食」が私のモットーだったり。食ならば栄養バランスが健康のためには大事。というわけで、栄養素になぞらえて以下のように分類しつつ本を読んでいます。

❑小説・エッセイ   ←心のビタミン。
さらに「小説」と「エッセイ」に分類しています。

❑ビジネス・ハウツー ←思考の炭水化物。
さらに「ビジネス」と「ハウツー・自己研鑽」に分類しています。

❑歴史と未来、科学 ←知識のたんぱく質。
さらに「歴史と未来・科学」と「ドキュメント」に分類しています。「思想」もここに含みます(私はほとんど読みません)。

 では実際に読んだ本のなかから、各部門から三つまでのピックアップを示します。


1.[心のビタミン]小説・エッセイ部門

 小説(23冊)、エッセイ(5冊)の中から3冊を選出
 ちなみに『カラマーゾフの兄弟』昨年やっとその気になって読んでみましたが、一巻目であえなく退廃。お家騒動には興味なし、というか、世間一般との嗜好性のズレを如実に感じました。

空とぶタイヤ(小説)
 内容が現実社会に根ざしていて、かつ実話に基づいており、ビジネス書としての価値もあるため一位に選出しました。ボリュームはありますが一気に読めます。できるだけ多くの人に読んで欲しい一冊。

影法師(小説)
 このブログの記事にはしていませんでしたが、歴史ものではない時代小説として楽しめる本です。クライマックスの作り方が実にいい。最後の数ページは、読み進めるのが惜しくなり、遅読となりもうした。

読んでいない本について堂々と語る方法(エッセイ)
 なにやら哲学的な要素も含んでいて、哲学が苦手な私にとっては入りにくい本でした。しかし、記事にも書いたように、この本の存在意義は大きいと思います。文章がまるでパズルのように絡み合っていて、かつ仕掛けがある、ロールプレイングゲーム的な一冊でした。


2.[思考の炭水化物]ビジネス・ハウツー部門

 ビジネス(38冊)、自己研鑽(2冊)を読みましたが、ビジネス書の中から2冊を選びました。
 昨年はグーグル、クラウド関連の書籍を多く読んだためにビジネス書の冊数が増えました。その割には、というか、だからなのか、心に刺さる本は、以下の2冊しかありませんでした。

これまでのビジネスのやり方は終わりだ(ビジネス)
 この本は将来のITによるビジネスの変革を10年前に書いたもの。内容的にほぼあたっている。最近のビジネスを顕した著作にも、たまにこの本について言及があるくらい。10年前の出版は早すぎたのかもしれません。邦題も良くなかったかもしれませんね。原題は「The Cluetrain Manufest」です。いまだに[cluetrain]の詳しい意味が分からないのですが、内容的には共感できることがいっぱい。
 Twitterに95ヶ条を配信するボットがあります。@cluetrainjp

ビジネス書大バカ事典(ビジネス)
 こんな本をまっていました。どう考えても最近のビジネス書に分類される自己研鑽に関する書籍群はおかしな状態になっていて、一部ではビジネス本バブルなどと呼ばれていましたが、この状況をばっさり切り刻んでくれています。カツマ本を中心として「あんたら自分の本を売りたいだけでしょ!」的な憤りを感じている自分にとっては、とてもすっきりとさせていただきました。


3.[知識のたんぱく質]歴史と未来・科学部門

 歴史と未来・科学(22冊)、ドキュメント(8冊)のなかから3冊を選びました。
 ドキュメント分野からは、過去に出版された良書を多く選出することができました。実は、昨年は「家族」についてと「死」についてのテーマで多くの本を読んでいます。

〈現代家族〉の誕生(ドキュメント)
 「最近の若い連中は、」とかいっている人々に言いたい。その若い連中を育てたのはあんたたちだ。しかし、その「最近」もいずれは過去になります。だから、連続する「最近」の若い連中を批判するのは意味のないこと。ところが、若者が手のひらを返したように、それまでの若者と変わってしまった断層があるのです。家族のあり方、社会に対する考え方、ライフスタイルが変わる断層をくっきりと示してくれる、納得できる一冊です。

病院で死ぬということ(ドキュメント)
 実は私し、最近の入院しました。それは「死」からは遠い病気による入院だったのですが、現代社会では「死」への通過点に必ずといっていいほど病院を通るのも事実。この本は1996年に出版されたものですが、今やまったく議論の対象とするべき、病院での「死」について書かれた本です。「病院で死ぬ」ということが、当人にとって本当に幸せなことなのか。誰でも持つと思われるこの疑問に正直に答えてくれます。

宇宙を織りなすもの(科学)
 昔の人はニュートンの重力の発見によって、驚天動地に陥ったのでしょうか。現代では中学生が知りうるこのニュートン物理学も、当時は非常に難問だったはず。同じことは、「相対性理論」から「ひも理論」についても言えると思います。最先端の物理化学を、「ザ・シンプソンズ」という米国おバカアニメキャラを交えてわかりやすく解説してくれる一冊です。


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