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感じて考えて、そして書くべし 『名文を書かない文章講座』 村田喜代子著

 まず前書きで、こう来る。

2ページ
 文章を書くのが難しいというのは、わざわざ自分が難しくしてしまっているのである。
 とはいえ、絵や書やスポーツなどが難しいように、文章もまた難しい。

 これによって、私は参ってしまう。やられたという感じ。この2行の行間が全く読み取れずにやり過ごすところだった。しかし、よく読みこんでみると、要するに「文章は本人しだいで簡単に書けますよ」ということらしい。「いちおういっとくけど、最後は自分の努力と才能なのよ」と読者を突き放しているが、表立って言ってはいないのだ。ずるいぞ、村田さん。

 それでも、おおむね文章を書くものにとって良いことが書いてあると思う。それも形式ばらないところがよい。論理的な展開や、センテンスにかかる技巧よりも、もっと重要なことを教えてくれている。それは、「考えよ」ということ。そうだ、考えることはつまり文章化ということなのだ。いまさらはじめて知ったような気がする。
 言葉を操ることを考えるという。言葉で操れない場合は感じるという。村田先生は感じることを言葉に置き換えよという。つまり常に感じて考えなさいという。それを日常で訓練することで、自分だけの文章が書けるようになるのだそうな。
Feel,so think!
おっと、この英語はあっているのだろうか?と余計な考えを浮かべてしまう。

 そしてこんな風に、最後に落ちがつかない場合は先頭に戻るのだそうな。やはり文章を書くのは難しい。

〓 追伸

最後に、心に深く残った引用を引用

177ページ:『高校生のための文章読本』からの引用
良い文章とは、
1.自分にしか書けないことを
2.誰が読んでもわかるように書く
という二つの条件を満たしたもののことだ。”誰が読んでもわかるように”ということは、言葉の意味がわかるということも含んでいるが、それだけではない。”自分にしか書けないこと”、自分だけの発見や経験をできるだけ正確に言葉に表現するということを指している。

村田さんが述べる文章の心得は分かりやすいです。
でも、これって簡単じゃあないよ・・・

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