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iPad用手書き文字認識ノートアプリ 『7notes』 に寄せて

Camera0000032_03  驚異の手書文字入力ソフトである『7notes』を使い始めてから数ヶ月、このソフトウェアはその後も進化を重ねて基本的な機能はほぼ十分と言える完成度に近づいた。文字認識率も、以前より格段に高くなっている。あとは使う側の問題なのだ。そこで、この手書き文字認識アプリ『7notes』の使い方について考えてみた。

〓 キーボードには両手が必要だが、ペンは片手で扱える

 過去にも手書き文字認識はSonyCLIEやSharpZaursなどのガジェットに備えられていたが長文を書けるだけの実用性は持っていなかった。この『7notes』の登場により、初めて手書き文字によるテキスト入力に道が開けたのである。
 しかし、そもそも今さら手書で文字を入力する必要があるのか、という疑問も浮ぶかもしれない。手書き入力よりもキーボード入力の方が入力スピートが速く、これは物理的な理由だからいかんともしがたい面がある。ところが、ここまで手書き文字の認識率が高くなると、入力スピードの違いはそれ程大きな意味をなさなくなると私は思う。なぜなら、キーボート入力は、明かに入力者の両手をふさぎ、姿勢を制限してしまうというデメリットがあるからだ。
 たとえば、喫茶店などでブログの文章を書くときは、席に着くなりさっとiPadを取り出して、珈琲カップを片手に持ちながら文章を入力するのである。右手にはやはりペンである。キーボードの場合はこうはいかない。そもそも、キーボードを打つ格好というのが、端から見ても窮屈なのだ。或いは、文筆家よろしくタバコをくゆらせながら文章を書く。これなどは到底キーボードが似合いそうもない。それ以前に、タバコをいちいち灰皿に載せて、そしてキーボードをたたくのは、全くせわしないではないか。やはり文章を書いている人というのは、タバコを左手に挟んだまま、ときどき「ふぅー」などと煙をはきながら、ペンをさらさらと走らせるのがいいのである。
 つまり、その左手で別なことをやりながら、同時に右手だけで文章を書けるという余裕が、文章の源である私の思考を妨げずにいてくれるのだ。それに、私のような凡人だと、手書入力のスピードが思考スピードと同じくらいなので、ちょうどよいのである。
 そんなふうに手書入力の魅力に取り憑かれて、文章を書き始める時は決まって『7notes』を使う私なのだが、そんな私も少しだけ不満な事がある。

〓 手書き文字で入力したテキストの行き先は?

 私が問題にしたいのは、記事を書いた後のはなしだ。『7notes』には、デジタルキャビネットという、クラウド上のディスクスペースが用意されている。そこはデータの単なる保管庫にすぎない。ところが、入力した文章は、実際どう使うかというと、Niftyのココログにアップロードするわけだ。この文章がまさにそうなのだ。このとき初めて、私が文章を書いた目的が達成されるのである。
 実はこれがけっこうな手間なのだ。よく考えてみると、私はこの『7notes』で一度文章を書き、それが同時にデジタルキャビネットというクラウド上にアップロードされているにもかかわらず、余計な手間をかけて、別なクララドにアップロードしているのである。
Camera0000032_01  実際にどうするかというと、まずiPadではなくPC上で文章を扱うために『7notes』から『Evernote』に文章を転送する。今度はPCの『Evernote』で文章を開いて不要なタグを取り除くために『秀丸エディタ』にコピーペーストする。そうして、『秀丸エディタ』の純粋テキストをブラウザ上のココログサイトにコピーペーストするのだ。まあ確かにiPad上で直接ブログサイトにアップすればよいのだが、実はiPadでは全角空白が扱えないためにこれにもまた一工夫必要になるのである。結局わたしのブログ記事は、『デジタルキャビネット』『Evernote』『ココログ』の3つのクラウドに別々に保存されているのだ。しかも少しづつ文章がアップデートされている。

〓 Web空間を大学ノートのように使いたい

 そこで私はこう考えた。もし仮に『7notes』への書き込みと同時にデータ登録されるデジタルキャビネットが、そのままブログサイトであったらどうだろうか。つまり、喫茶店でタバコをくゆらせながら『7notes』で書いた文章が、そのままブログにアップされるのである。もちろん、公開と非公開を『7notes』でコントロールできる仕組は必要である。それには、ドキュメント毎に「公開」「非公開」のチェツクボックスを用意して連動させればよい。ブログの画面レイアウトもユニット(『7notes』の文章単位)を反映させればよいのである。そうすれば、むしろ一般のブログよりも文章を自由にレイアウトできるようになるのではないか。

 さらに、である。もし『7notes』と連動するブログサイトができたなら、キーボードが使えないためにブログを諦めているお年寄りには朗報に違いない。そもそも、パソコンは苦手でもiPadを使っているシニア層は増えていると聞く。彼らはきっと「長生きしてよかった」と思うだろう。それに、変換前の手書き文字もそのままブログ記事として表示できれば、これはこれで味がある。短歌や俳句なぞをブログに載せたい人にはうれしい計らいとなるのではないか。デジタル化された文字はココロがそぎ落とされるのだ。それが手書き文字となったとたん、文字そのものに気持ちが表現されるようになるのだ。

 実は『7notes』のサイトには、私のような勝手な希望というよりも妄想を抱いてしまう人のために「フォーラム」が用意されている。そこに、さっき書いた連動ブログサイトの事をこっそり追加しておいた。もしもこの『7notes』と連動するブログ機能がデジタルキャビネットに追加されたとしたら、それは私のアイデアだと思ってほしい。そしてこのブログもたぶんそちらに引越していることだろうと思う。
 それまでは、ここに書いてある内容は、やはり私の妄想なのである。

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コメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

投稿: 履歴書の封筒の書き方 | 2011年12月20日 (火) 11時12分

>履歴書の封筒の書き方さん
コメントありがとうございます!
ぜひまた遊びに来てください。
リンクをいただいたサイトを見て思いました。
iPadなら履歴書の書き方アプリというのもありではないか、と。
7notesとの連携というのも吉かもしれませんね。

投稿: パピガニ(本人) | 2011年12月21日 (水) 01時41分

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