2011年読んだ本ピックアップ
新年あけましておめでとうございます。
さてと、例によって去年読んだ本のなかで特に面白かったもの、お奨めのものを分野別にピックアップしたいと思います。
去年読んだ本は全部で101冊、そしてその内訳は・・・
◆心のビタミン(45冊)
1.小説 39冊
2.エッセイ 6冊
◆思考の炭水化物(28冊)
3.ビジネス 18冊
4.自己研鑽 10冊
◆知識のタンパク質(28冊)
5.歴史と未来・科学 19冊
6.ノンフィクション 9冊
1.[心のビタミン]小説・エッセイ部門
小説(39冊)、エッセイ(6冊)の中から選出します。 蓋をあけて見ると、去年は特に小説を多く読んでいました。エッセイもあわせると、101冊中45冊と半分近くを占めます。つまり、この分野からの絞込みは難しい。そこで、作品からではなく、作家さんを中心にして作品を紹介するようにしたいと思います。 |
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百田尚樹 たぶんこの人の小説は面白くないないわけはないくらい面白いです。色々な分野で小説を書いているし、なんというかストーリーの落としどころを知っている。2010年は『影法師』を読んで、最後のほうはまるで骨をしゃぶるようにして読んでいました。それで、昨年話題の作品となった『永遠の0』、それと『モンスター』を読みました。全く異なる小説ですが、やはり両方面白かったです。とくに『モンスター』は世の全ての男性に読んで欲しいですね。女性がなぜ化粧にこだわるのかがよくわかります。まあ、書いている本人は男性なので、なぜこの小説の中に女性心理を詳細に描写できるかが不思議なのですが。 |
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角田光代 「八日目の蝉、ツリーハウス、対岸の彼女」の順に読みました。いずれも読んでいるうちに情景が目に浮かんで、まるでドラマを見ているような感覚になります。実際に『対岸の彼女』はドラマで見たような気もするし、そうではなかった様で、判然としません。いずれにしても、登場人物を勝手にキャスティングして楽しめるというところがいいですね。日常の出来事を小説にできるというのは、それだけ小説家としての技量があるということではないでしょうか。 ポットキャストで角田さんのトークを聞きましたが、とても奥ゆかしい方で、本人に対しても好感が持てます。長く読み続けたい作家さんです。 |
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桐野夏生 「ナニカアル、魂萌え!、IN」の順に読みました。この人の小説は実験的なところが多いですね。『魂萌え』は普通の日常小説でしたが、『ナニカアル』と『IN』は劇中劇的小説になっていて、なんというかどうやって構想を練っているのか不思議に思えてきます。 特に私にとっては『ナニカアル』は不思議な感覚でした。ストーリーの構成もそうですが、以前読んだ『読んでいない本について堂々と語る方法』のような、小説そのものを楽しむ小説になってます。この人の小説は、新しい作品を読むたびに、新しい発見がありそうです。今後も小説の可能性を広げくれそうで、目が離せませんね。 |
2.[思考の炭水化物]ビジネス・ハウツー部門
日本国内ではビジネス本バブルとか言われて久しく、今年あたりは大分下火になったようです。最近『イノベーションのジレンマ』や『ビジョナリーカンパニー』のようなビジネス書が出版されなくなったこともあってか、殆どビジネス書で記憶に残るものはないです。ただし、最近読み終わった『スティーブ・ジョブズ』は別格ですね。まあ、これをビジネス書として分類するのも違うのかもしれませんが、一応ビジネスマンが読むべき本として、ここに分類しておきます。 ビジネス(18冊)、自己研鑽(10冊)の中から選出しました。 | |
スティーブ・ジョブズⅠ・Ⅱ ビジネス書としても、伝記としても、しばらくはこれを超えるものは出ないのでは?。なにがすごいかというと、ジョブズがすごいのです。 | |
競争と公平感 資本主義と社会主義と、どちらが正しいのか?といった感じの本。成果主義、市場競争原理がアメリカから日本に持ち込まれたけど、もともと社会主義的な日本人にはなじまなかった。そいうったことをデータで示しています。 | |
高校生の勉強法 かの、池谷裕二さんが書いた本だから、飛び切りわかりやすいし、おもしろい。もう一回読んで、書評をちゃんと書かなくちゃいけない。と思わせてくれる本。 |
3.[知識のたんぱく質]歴史と未来・科学、ノンフィクション部門
科学に関する書籍の中では、私の好きな脳分野の本が元気です。『越境する脳』『確信する脳』の2冊が特に面白かったですね。特に『越境する脳』は脳科学と生物学、ロボット工学の交差点にあり、今後は発展が見られると思います。注目して損はないでしょう。ジョブズが言っていた、芸術とテクノロジーの交差点みたいな感じですね。 ノンフィクションでは、『下流志向』『昭和二十年夏、子供たちのが見た日本』が面白かった。『昭和二十年夏・・・』は後世に残すべき本として高く評価されるべきだと思います。 あと、本来の分野としては「思想」になるのですが、「歴史と未来」に分類して、『これから正義の話をしよう』を、ためになる作品として加えておきます。 歴史と未来・科学(19冊)、ノンフィクション(9冊)の中から選出しました。 | |
越境する脳 これは科学の最先端。『ポスト・ヒューマン』でカーツワイルが言っていたように、炭素生物が誕生するような気がしてくる。 |
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確信する脳 あなたは、この本を読んだことがありますか。という問に対して答えるのは、あなたではなく、あなたの脳なのです。でも、一般に脳は結構あやふやな答えしか持っていない。そこで、脳は錯覚やいろいろなあの手この手で確信しようとしているという話。まあ、この話もかなりあやふやだが。 | |
昭和二十年夏、子供たちのが見た日本 いままでこのような本がなかったのが不思議なくらい。たぶん商業ベースに乗りにくいからなんだろうと思う。だとしたら、これは出版業界の功罪ではないだろうか。そう思えるほど、この本は貴重だと思う。 | |
これから「正義」の話をしよう この本も衝撃的でした。それだけ人類が正義に飢えているというこなのか、はたまた正義が必要なくらいに悪がはびこっているのか。どちらなのでしょうか。このテーマは人類にとっての永遠のテーマだと思えるくらいに古くて新しく、つまりこの分野に関しては実は人類は全く進化していないのかもしれません。 |
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