iPad: やっぱりすごいや 『7notes』
〓 これから「7notes」の話をしよう
もう何度もブログ記事にしてきたけど、まだ書き足りない。ipadを買っていながらこのアプリを買わないなんて、もったいなくてしょうがない。
かくいう私は、別にキーボード入力が苦手なわけでもなく、7knowledgeのまわし者でもなんでもないのだ。
前回、2011年の10月にこのアプリの記事を書いた。そのころは「い」や「つ」が小文字として認識される事が多かった。それと、偏と旁がばらばらに認識され、そのたびに修正する必要があった。当時は、その誤認識の頻度が、3行に1回くらいは発生していたと思う。つまり、「7notes」が認識しやすいように、ある程度気をつかいながら文字を書く必要があったのだ。
その後、何度かバージョンアップがあり、一時期は認識にやたらと時間がかかる事があった。あれは確か昨年の10月頃のバージョンが3.0になる少し前あたりだと思う。もう初代ipadでは使用に耐える認識スピードが出せないのではないか?と、ヤキモキした。
ところがその後バージョンが3.0になると、認識率も、認識スピードも格段に上がり、現在は「認識しようとしている事」を意識する事なく、どんどん文字を入力する事ができるようになった。変換候補が複数段にわたって表示される機能も加わったが、基本的に常に左上の第1候補を選択すればよい。それくらい認識率が高くなっている。
つまり、発売当初も驚異的な認識率と思われていたのだが、今はほぼ完璧に近いと言っていい程の認識率の高さなのである。認識の過程を見ていると、書き順は関係ない事がわかる。どうもこの認識率の高さを補っているのは文脈によるものらしい。
〓 どんだけすごいか確認してみた
こんな実験をしてみた。まず、「しい」という文字を、前を1文字分空けて入力をする。すると、この文字は、「い」だけとして認識されてしまう。ところが、先程空けておいたスペースに「楽」という文字を書いたとたんに、「楽しい」と正しく認識するのである。確かに書き順というのは文字を書くときは必要だが、書いた文字を読む時はまったく必要ない。という事は、この文字認識の方法も純粋に描画された図形のみを解析しているのだろうか。「後から変換」が使えるのも、この仕組によるものだろう。
もうひとつ実験をしてみよう。偏と旁がばらばらに認識されてしまう問題は、実は今でも多少残っている。まさに「認識」という文字を書くとこの現象が起きやすい。この場合の回避方法は、偏の終点と旁の始点を線で結ぶことである。つまり、連綿文字のように書くことだ。なぜこのような事が可能となっているのか不思議に思ったので、終点、始点に関係なく、とにかく偏と旁が一本の線で結ばれるようにしてみた。すると、予想通り誤認識してしまう。やはり、書き順は無視するけど、筆跡は参考にしているようだ。
連綿的に書かれた文字が認識できるように設計されているという事は、そもそも連綿のような崩した文字も認識できるのではないか。そこで、ペン字の練習帳を参考にして、ある程度崩した文字を入力してみた。すると、文脈のヒントがなくても、ちゃんと認識するのだ。これには驚いた。お年寄りには達筆な方が多いと思う。そういう方の文字は、若輩者の私には読めなかったりするのだが、このMazecは認識できてしまうのである。
つまり結論はこうなる。『7notes』を使えば、私の様に乱筆でも、あるいは、お年りの達筆でも、そうとう高い確率で文字を認識して電子データ化してくれるというわけだ。これは、コンピュータへの文字入力はキーボードによるものという常識を覆すことにはならないだろうか。
実は今、私は立った状態でこの文章を手書き入力している。しかし、入力スピードは、そんなに遅いわけではない。十分に実用的である。
iPadのような平板の入力デバイスに手書きで入力するのは、極めて自由度が高いということが分かる。机にiPadを置いて入力するのであれば、片手は空いた状態になり、その空いた手で本をめくることもできる。その意味では、キーボードよりも作業効率が高くなるのだ。
いずれは、医療の現場や、検査の現場では、このようなかたちでの利用スタイルが普及するであろうと思う。
〓 この技術があまりマスコミに取り上げられていないのが残念
思うに、こういった地味な革新はあまり話題にならない。実際、現在でもこの7notesはあまりマスコミに取り上げられていないようだ。今のマスコミは万人受けする話題を扱ってナンボだから、万人受けするどうでもよいことは扱っても、万人には理解しづらいすごい技術は扱わないのだろうと思う。でも、いずれはこの革新的な技術に気づくはずだ。
これは革新的な技術ではない?ならば、漢字変換ソフトがなかった時代のことを思い出してほしい。そして、かつて新しかった漢字変換という技術に、いったい何人の人が恩恵をこうむっているのか考えてほしい。それは日本語のキーボード入力を可能としたが、その後音声入力や手書き入力の技術が登場しては消えていったではないか。キーボード入力+漢字変換という技術の組み合わせが、いかに革新的な技術であったかはこのことからわかる。それが、この手書き入力という技術的により置き換わるなら、この技術はやはり革新的であると言わざるを得ない。と思う。
どうやら、最近せっかく購入したBluetoothキーボードは、iPadについては出番がなさそうなのである。
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