万年筆のインクが出なくなったとき 『LAMY STUDIO』 LAMY
最近は万年筆を使う人が減っていると思う。なにしろ、長い間使わずにいるとインクが出なくなる。一度インクが出なくなると、復活させるには一苦労する。書き味はいいが使い勝手が悪い。それなりの書き味ならボールペンのほうがよっぽどいい。
実は、私は万年筆が好きである。ボールペンでは味わえない書き味というものが、万年筆を手にすると味わえる。若い頃はそんなことはなかったのだが、年齢を重ねると、筆圧をさほど必要としない万年筆の書き味は、ある種の魅力になるようだ。
今は、LAMYのSTUDIOを使っている。すこぶる書き味が好く、ほとんどインクがかすれない。ところが、一ヶ月ほど使わないでいると、案の定書けなくなった。もともと万年筆はナイーブなのである。そこで、教科書通りに、ペン先を水に浸しておいた。さてそろそろ元通りの書き味にもどったか、と思われる1週間後にインクを充填して書いてみた。しかし、書けないのである。インクが出ない。ペン先にインクが到達しないのだ。
これほど長い間水に漬けても直らないのだ。修理に出そうと思ったが、ウェブで調べてみると結構な金額がとられそうだ。一度は、自分で分解してペン先を洗浄しようとも考えたが、失敗したらアウトである。さてどうしたものか。もう一度水に浸して2日おいてみた。やはりだめなのである。もう観念して修理に出そうかと思ったとき、コンバータに水を充填して書いてみることを思い立った。なかなかペン先から水が染み出さない。強引にコンバータをひねり、ペン先に水を送り込んでみた。そして、逆にコンバータのネジをひねり、ペン先から水を逆流させてみた。すると、コンバータのなかに、インクの小さな塊りのようなモノが顕れるではないか。おそらくペン先を詰まらせたのは、このインクの小さな塊りである。
念のため、ペン先をもう一度流水で洗浄し一日水につけて、翌日乾かした。そして、再度真水をコンバータに入れて先の要領で水を逆流させてみた。そうすると、またまたインクの微小な塊りが出てくる。その後ペン先とコンバータから水気を取り、インクを入れて装着すると、今度はなんとかインクが出るようになった。
しばらく書いてみたが、やはり以前のようななめらかな書き味にはならなかった。もうこうなったら意地である。ペン先を一日水に浸しては乾かし、コンバータに真水を入れて、ペン先に水を何度が逆流させる。これを三度繰り返して、インクの微小な塊りが出なくなったところで、インクを充填してみた。
すると以前の書き味が戻ったのだ。早く書いても、かすれもせずインクが紙にのるようになった。もちろんゆっくり書いてもインクのボタ落ちがない。LAMYの完全なる書き味が戻ったのだ。めでたしめでたしである。何度ペン先を水に漬けても、以前の書き味が戻らないという方は是非一度お試しを。
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コメント
私も万年筆好きでたくさん持っています。
たくさん持っているせいで、しばらく使わず放ったらかしにしてしまいますので、乾いて使えなくなることもしばしば・・・
でも「水につけておく」のではなく、ザーッと水道水を流水するだけですぐ使えるようになりますよ(^^)
投稿: umitosora | 2012年9月15日 (土) 15時04分
umitosoraさん、コメントありがとうございます。
私の万年筆は、流水をペン先に流してもどうにもこうにもインキが出なくなってしまたのです。流水で流してもダメなら水に一日つけておくようメーカーのサイトに書いてあったので、そのとおりにしたのですが、それでもダメでした。
とほほほ・・・
以前持っていた別な万年筆(パーカー)ではそんなことはなかったので、LAMY特有のものかもしれませんね。
投稿: パピガニ(本人) | 2012年9月16日 (日) 14時45分