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簿記2級独学合格未体験記(その6)

実は、本日、日商簿記2級の試験を性懲りもなく受けてきた。結果は?
やはり芳しくない。
 そもそも、今回で5回目の受験である。もういい加減受かってもいいころなのに、どうも簿記の試験というのはうまくいかない。性格的にあっていないのかもしれない、とさえ思えてくる。
 いや、簿記の勉強自体はなんだかパズルを解いているようで、嫌いではない。まるで数独である。いやだいぶ違うかもしれないが、自分にとっては感覚的に近いものがある。
 だから、1ヶ月前から結構時間をさいて勉強をしてきたのだが・・・

言い訳がましいが、敗因を自分なりに分析すると、このようなる。

〓 実は前回11月にも受験したのだが・・・

 前回、試験対策につかった問題集は「パタ解き」シリーズである。解き方のパターンを覚えることで、大体の問題は正解を導き出せるようになる。ひと通り過去問を解いたのだが、残念ながら、苦手分野を認識して、克服するまでには至らなかった。苦手分野は、特殊商取引と直接原価計算である。出題頻度はどちらも少ない。おそらく出ないだろうと・・・、それが甘い考えであった。
 出題では第2問がいつもと違うパターンだった。いや、少し変形しているだけで、解き方のパターンは大体同じなのかもしれない。大きく違うのは、特殊取引に関する問題だったことだ。こういう問題に出くわすと、パタ解き一本で学習している私は固まるしかなかった。
 そして、第5問目はやはり苦手分野である「直接原価計算」の問題だった。貢献利益とう単語が出てくるともうわけがわからなくなってしまう。貢献?何に貢献するのだ。とふと考えてしまう。限界利益と聞けばわかるのだが、同じ意味であることをすぐに忘れてしまうらしい。この辺は、貸し方、借り方という言葉に最初に翻弄されていたのがいまだに尾を引いている感覚である。
 しかも、損益分岐点を求める出題があるにもかかわらず、販売単価が記載されていなかった。いままで販売個数とXとして割り出していたので、公式は不要だと考え、公式を覚えることはしなかったのだ。つまり、ふつうなら簡単に解ける第5問が全く解けなかった。

〓 やはりパターンだけ覚えてもだめなのか

日商簿記検定模擬問題集2級【第4版】

 前回の失敗に懲りた私は、今回は違う戦略で試験に臨むことにした。できるだけ多くの問題を解くこと。そこに主眼を置くことにしたのだ。テキストも「パタ解き」ではなく、同じネットスクールが出版する「日商簿記検定 模擬試験問題集」を使うことにした。ある程度内容を理解できていれば、こちらの問題集を解くほうが、多くのパターンに対応できるようになる。そう考えたわけだ。
 実際、この問題集は模擬問題として少し難易度が高い設定がされていると思う。ポイントを抑えた練習問題が約20ページ分。模擬試験問題は全部で8回分。過去の試験問題が3回分。しかも値段は900円ときわめてリーズナブル。解答用紙もネットからダウンロードできるから何度でも使うことができる。
 これを試験前に一ヵ月半をかけて解き試験に臨んだ。ああそれなのに、やはり試験の結果は芳しくない。5問目の回答に予定単価を使うべきところで実際消費額をつかってしまったり、3問目の問題を解く時間がなかったり、前払い、前受け、未払い費用の扱いに迷ったりと・・・。つまり仕分けの意味理解が不足しているのだ。どうも私は単純にパターンとして記憶するのが苦手で、その機能とか意味を理解しないと言葉(科目)の処理を暗記できないたちのようなのである。

〓 個々の目的と処理の理由を知らないと・・・

この1冊ですべてわかる 会計の基本 この1冊ですべてわかる 管理会計の基本

 試験勉強を開始している間に、実によい副読本を発見した。まだ全部読んだわけではないが、「パタ解き」や「模擬問題集」で机上の空論的に学習してもわからない、現場の会計がよくわかる本である。
 そもそも、資格試験の目的は自分が持つスキルを証明するためであり、そのスキルが本当に役立つかどうかを保証するものではない。だから、勢い試験に合格することが目的になってしまいがちだ。しかし、簿記2級を合格していても、仕事上で使えなければ何の意味もない。そう考える私は、会計処理がコンピュータ化されている今の仕事に本当に役立つのか大いに疑問だった。
 しかし、この本を読めば、なぜ勘定科目が存在するのか、なぜ貢献利益(限界利益)という概念が存在するかがよくわかる。この知識なら今の仕事上でも十分使えそうである。
 「会計の基本」は主に商業簿記を中心に解説している。これを読めばB/SとP/Lそしてキャッシュフローの役割がよくわかる。
 「管理会計の基本」は工業簿記が中心となる。固定費と変動費に対する考え方。利益の捕らえ方。全部原価計算。などなど、いったい何のために存在するのかわからなかった概念がまさに現在の実務とうまく結びつく。

 どうやら今回の試験もまた落としたようであるが、これでまた会計を深く知るきっかけを失わずにすんだ。次回の試験では合格しましたとこのブログに書けるように、しっかりとこの二冊の本を読みたいと思っている。

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コメント

ビジネス書「もどき」関連でブログを拝見させていただきました。私自身書評を書いていた時期がありましたが、とてもあなたの足元にも及ばない低レベルな書評ばかりを書いておりました。翻って、なぜあなたほどの文章がかける方が簿記2級(私でも一度で合格した試験なのに)に苦戦しているのでしょうか?私見ですが、簿記はどうしても要領だけでない「愚直な反復作業」が求められるものでありますから、毎日1時間程度(可能ならば)決まった時間を天引きして愚直に反復練習をなされてはいかがかと思います。3ヶ月もあれば間違いなく80点以上の得点で合格できるかと思います。参考書よりも問題集(演習がキモなので)中心学習でお願いします。

長々と講釈をたれてしまい申し訳ありません。

それでは失礼致します。

投稿: 通りすがりの者ですが | 2013年3月19日 (火) 07時41分

コメント有難うございます。
そのコメントに、一人思わず謙遜してしまいました「(^^)。ブログって、読んでいただいているってことがわかっただけで嬉しいです。
最初から感じていたのですが、たぶん私、才能がなのですよね。
ちなみに実際今回の試験もトホホでありました。
しかしまあ、簿記の問題集を解くのは結構好きであるのだけが救いです。と負け惜しみを言いつつも、一発合格が羨ましいです。わたいも一発合格して簿記1級に挑戦中、なんて言いたかったぁ。
演習がキモ、習うより慣れろですよね。元気づけられたので、次回もコツコツやります。人生は積み重ねですからね。

投稿: パピガニ(本人) | 2013年3月20日 (水) 03時01分

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