指輪をつくるということ(その3回目)
またまた指輪を造った。今回は、今までにない最強の出来栄え。自分で言うのも何だけど、まさしくイメージ通りの仕上がりになりました。
実は、今回は前回作ったデザインを進化させたもの。というより、我が家の同居人のアイデアを取り込んで造って見ました。
前回作った指輪は、写真の左側です。以前この指輪を同居人にドヤ顔で見せると、
「うーん。確かに可愛いと思うけどね、リボンみたいで。でも、どうせならリボンの形にこう端のところがくるっとなって、で蝶ネクタイみたいな。」
うーんなるほど、と私も思ったものでした。前回の指輪制作の時のブログに書いたとおり、別にリボンをイメージして作ったわけではなくてですね、最終的にリボンっぽくなったわけでして、だったら確かにリボンの形にしたほうがいいってのもまあわからないではないですが。もごもご。
まあそれで今回はまさにリボンのイメージにRebornさせたかったわけです。
ところが実はこの彫金教室はちゃんと作品の設定というかコースというか、こんなものを作りましょうという設定があって、それが実はリングに刻印で模様をつくってオリジナルの指輪を作りましょうっていうのがテーマなんです。だらか教室側にとってはリボンの形状を造作するというのはコースの逸脱行為なんですね。でも、前回の私のワガママ度を知ってか、今回もなんだかんだ言ってそのワガママ作品を作らせてくれました。結構自由度が高いというか包容力があるというか。前回の私のワガママに積極的に付き合ってくれて、「やりましょう」と言ってくれた先生(当主らしきヒト)は、今回は居なかったんですけど、前回サポートしてくれた若い先生が今回も私のワガママを引きうてくれました。
実は最初私はリボンの結び目を、前回同様に銅をはさみ込むようにして作ろうと思ったんですが、そこはさすがにプロフェッショナルな先生にアドバイスを頂いて、銅の針金をU字にして上からかぶせるパターンにしました。これが大当たりでして、まさにこの結び目の部分がどうもうまく行きそうにないと思っていたのが、構造的にも造形的にも、よりリボンのイメージに近づいたってわけです。まあここが素人とプロフェッショナルの違いですね。
しかし、素人の私にも一応プライドみたいのがあって、ディテールには徹底的にこだわりました。とにかく曲面を作るという局面を多用するわけです。えっ何言ってるかって。要するにリボンの部分とかリングの部分から徹底的に角を取り除くという作業に徹するわけですね。視覚的にも触覚的にも。
でも、やってみて思ったのは、角を削って完成品に近づく工程が人生の終盤に向かっていく行程と似たところがあるという事。人間も年を取って丸くなると、なんだか人生の最終型みたいに思えてくる。角は成長を表すけど、丸みは成熟を現すものとみえたり。
そうそう、もちろんこの指輪を同居人にプレゼントしました。なんだか気に入ってくれたみたいで、今後の10回分のケンカはこの指輪によってチャラになるようです。まあ料理でもなんでも、誰かのために作るってのが正解なんだと、改めて思い直したのでした。
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