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そこまでいって委員会的問題作 『破裂』 NHK

破裂〈上〉 (幻冬舎文庫)

 最近NHKのやらせ問題で何かと物議をかもしているようだ。しかしこの際、その問題はわきにおいてく。ここではあえて、NHKが『破裂』という問題作をドラマ化したことに対して、私は称賛したいのだ。ある意味これは、国民の議論を誘うべき最も身近な問題であり、むしろ安保法案よりも優先されるべきではないかと思えるほどだ。しかし、実際にはそれほど話題になることなく、実は来週最終回を迎えることになるらしい。やや残念ではあるが、問題からつねに目を背けがちな日本の現実を考えるならやむをえまい。

 さて、この『破裂』の原作は久坂部羊氏が2004年に小説として出版したものだ。私も3年ほど前にこの小説を読んだ感想を本ブログに載せていた。なので、小説のストーリーについては、そちらを参照してほしい。そして、NHKドラマの『破裂』は、小説に対して大幅に脚色を加えているようだ。原作の方は登場人物が多くストーリーもやや複雑なため、ドラマの尺には収まらなかったのだろうと思う。それでも現在の少子高齢化を軸に、医療問題を絡めるという核心の部分は変わっていない。そういえば、麻生太郎がかつて「お年寄りが安心して死ねるようにしなければ…」と語り物議をかもしたことがあったが、そのことを考えるとこの『破裂』というドラマの中身もあながち非現実的とはいいがたくなるのだ。

百年法 (上) (角川文庫)

 このドラマでは、最終回でどのような終結を迎えるのだろうか。原作のストーリーをすっかり忘れてしまったおかげで、今から実に楽しみではある。それにしても、日本人はもともと心臓が丈夫らしい。医学の進歩により、さらに強靭な心臓を持てるようなり、そして老人が死ねなくなったら、いったい日本どうなってしまうのだろうか。
 その答えは実は『百年法』という別な小説に書いている。もしもドラマをみて、その先の日本が気になった人は、この『百年法』を一読することをおすすめしたい。

※NHKドラマ『破裂』は土曜日夜10:00からの放送となっているようです。

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