第1種衛生管理者資格試験を受けてきました
労働者の衛生面を管理すための国家資格、第1種衛生管理者資格の試験を受験してきました。
〓 とにかく遠い
試験会場は千葉県の五井駅から試験場行きのバスで20分。人里離れた打ちっ放しのゴルフ場の隣にある。
結局、自宅からの全行程を入れると3時間半くらいはかかる。そう見込んで、私は朝7時半に家を出て、五井駅に着いたのは10時半を過ぎていた。試験開始は13時半から。まだ時間に余裕があるので、五井駅周辺にあるドトールで休憩を取る。ドトールには衛生管理者試験の参考書を開く人がチラホラどころか、お客様の約半数が参考書を片手にしていた。
11時50分から試験会場行きの送迎バスが出る。11時45分ごろに送迎バスのバス停がある駅南口に行ってみると、既に1台目のバスは満員状態だった。まてよ、試験会場は山奥である。昼食を取るような場所はないはずだ。そこでコンビニでおにぎりを調達。準備が完了したので、次のバスを待つ長蛇の列に並んだ。しかし、次のバスの発車はおそらく1台目のバスの20分後くらいになりそうである。バスに乗るのは諦めて乗り合いタクシーを使うことにした。
乗り合いタクシーは直通バスのバス停の目の前で受付をしている。まるで夜の歓楽街のように、おじさんが呼び込みをしている。直通バスの運賃は360円、に対して乗り合いタクシーは600円である。会社で交通費精算が認められなくとも何とかなる金額だ。乗り合い人数が四人になる頃合いを見計らって乗車を申し込んだ。
やはりタクシーは早い。しかし運転手は結構なご老人。ハンドル捌きがぎこちない。おっと、赤信号ギリギリで交差点を通過している。試験前の我々に余分な緊張感をもたらしてくれた。暫くして人里を離れると、やがて右手に湖面が見える。タクシーはその湖面を過ぎたあたりで白い古ぼけた建物の敷地に入り込んでいく。
〓 試験会場の様子
会場に到着したのはお昼少し前の11時20分。1階の入り口はロビーになっていて長椅子が並んでいる。既に先客6名ほどが長テーブルのある椅子に座って参考書を開いていた。初老の受験生と目が合いそうになった。目をそらしたついでにロビーの周囲を見渡す。壁に受験番号と教室の割り当てが貼ってある。はたして私が受験する教室は3階にあった。早速、教室を偵察するために階段を上がる。それぞれの階にもロビーがありテーブルと椅子がある。そこにも参考書を開いている人がチラホラいた。ロビーの空間には結構な余裕がある。しかし私は教室内の自分の机で自習をすることにした。机は、まるで中学か高校の教室にあるような、小さな一人用の机であった。脚は鉄パイプで組まれ、天板は合板ニス塗り。教科書を入れるスペースが天板の下にある。机に落書きの彫り物がないことだけが、かつての学校とは違っている。
〓 試験開始
13時15分に試験の説明が始まる。試験官が入室したと思ったら、いきなり天井からスクリーンが降りてきた。そのスクリーンにパワーポイントを映しながら、試験に関する説明が始まった。試験問題を持って帰った場合は不合格とする。受験票などに文字を書き込んではいけない。といった、一般の受験ではあまり聞かない注意があった。これは、月に2~3回開催される試験の問題が半年間は変わらないことによるのだろうか。たしかに、試験問題を外に持ち出せば、次に受ける人に高く売れそうである。
1時30分、試験開始である。問題をすんなりと解くはずのところが、なかなか手強い。確信を持って回答できない設問が5問ほど続いた。止むを得ず、消去法で解いていき、問題文の頭にバツを記入する。とりあえずあとで見直そう。
第1種衛生管理者の問題は5つのカテゴリに区分されている。
関連法令(有害業務) 10問
労働衛生(有害業務) 10問
関連法令(有害業務以外)7問
労働衛生(有害業務以外)7問
労働生理 10問
最初の「関連法令(有害業務)」は本来最も力を入れて学習をするべきところだ。しかし、私はこの資格試験を少々甘く見ていたようである。結局確信をもって回答できたのは3問ほどであった。実は、この試験に合格するためには、5つの各分野について最低40%を正答しなければならない。他の分野はほぼ70%を正答できたと思うが、最初の10問で足切りになるかもしれない。過去問を解く上ではすべての分野で70%確保できていたのだが、それで油断したのがいけなかった。
〓 学習の進め方
第1種衛生管理者試験の学習の進め方もだいたいは他の試験と同じである。全体の知識をまずは体系立ててインプットする。つまり参考書の読み込みを進める。今回私が使用した参考書は、『1回で受かる、出るとこだけ、衛生管理者テキスト』高橋書店。この参考書は図が多く挿入されていて理解しやすい。ボリュームも適度である。まずはこの参考書を1週間かけて読み込んだ。
その後、ネット上にある3年分の過去問(前期および後期)を解く。最初うち正答率は30%程度であるが、それぞれの過去問を1回づつ解いただけでも、最終的には70%が回答できるようになった。その後は間違えた設問を2回繰り返して解く。この時、参考書を使って関連知識を習得する。
特に重点的に学習しなければならないのは、有害物質に関する項目だ。有害物質は、金属、有機溶剤、ガス、の3種類である。それぞれの物質名と、その物質に暴露した時(つまり肌に触れたり肺に吸い込んだ場合)の症状が問題に出る。そこには塩素、窒素などの馴染みのあるものもあるが、多くはベンジジン、シアン化水素など、それがいったいどういった物質なのかわからないものが多い。名称も到底覚えいにくい。ベンゾトリクロリドなど、到底覚え様がないし、覚えて何の意味があるのかと疑問に思えてくる。
この試験の救いは、出題される80%は過去問を多少変えて出題されるものだとうことだ。おそらく過去6回分の問題をすべての覚えて仕舞えば合格できるだろう。ただし、記憶をしっかり定着させるためには、体系づけた記憶が必要である。1つの分野について40%、全体で60%の正答率が合格の条件となってる。地道に学習すれば必ず1回で合格できる資格のである。
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